しっぽきり

一本目 オ・レ・ハ・ミ・カ・タ・ダ
二本目 「すまんな、ハーマイオニこんなところまで呼び出しちまって」「なあに、アイタガチホモです」 そんなあらゆる可能性の一つな並行世界。ちなみに落ちたのは、池袋。

 
 お見合いをするということで、帰宅の皆本さん。幼少時よりかわいがっていたトルテの老練の舌技での歓迎を受けつつ、家の中に。
 
「母さん? 光一ですけど……誰もいないん――」
「……いるよ」

 皆本さんの呼びかけにこたえたのは、杖をついたパピヨンっぽいメガネをかけた老婆が一人。

「逃げずに……帰ってきたようだね……!?」

 見下ろす視線の厳しさに皆本さんが固まっていると、老婆は皆本さんの襟首を掴むと、皆本さんの独身生活を終わらせてやると宣言しました。




 
 皆本宅から、数百メートルほど離れた地点。

「諸君!! 我々はなんだ!?」
「局長直属Aチームであります!!」

 閑静な住宅街に駐車したトラック後部のコンテナに野太い男達の声が響きました。
 しかし、呼びかけた賢木先生はハイテンションなのですが、Aチームのテンションがどうにも低い。
 それもそのはず、今回Aチームが命じられたのは見合いの監視。
 局長の涙を流さんばかりの説得に動かされ、最強の部隊として結成されたのに、投入されるのが一公務員の見合いの監視なんてアホらしい任務とあっては、辞表と履歴書を書いてしまおうかと、部隊の意志がマイナス方向に統一されてしまうのも無理はないところです。
 そんな気乗りしない様子のAチームに、皆本さんの私生活は一個人のものではない、ザ・チルドレンは存在するだけで他国にプレッシャーを与える存在だからご機嫌取りは重要、つまりなつかれている皆本さんも厳重に管理されるべき対象だと熱弁を奮います。
 ですが、本音は、

「しかもお見合いって――――!! これを面白がれない奴は、自衛隊にでも行ってしまえ!」

 とのことでした。
 いくらやる気のでない任務とはいえ、従わなければいけないのが、宮仕えの悲しいところ。
 ノロノロと、スーツ・ネクタイ・岡持ち・ヘルメット・学ラン・GジャンとGパン・ボディコン・巫女服に着替え、一般市民に紛れ込もうと散開しようとした、その時でした。

「あら、賢木クン?」

 コンテナから意気揚々と飛び出そうとした賢木先生が動きを止めていました。賢木先生を呼び止めたのは、一人の中年女性。
 その態度は完全に、久しぶりに知人に会ったモードです。
 それもそのはず、この中年女性の正体は、

「お久しぶりです――!! 皆本君のお母様!!」

 思わぬ再会を果たしてしまった賢木先生の態度は、親友の親に挨拶するとき特有の気恥ずかしさが前面にあふれ出たもの。
 その賢木先生の態度とか、情けないながらもそれでも仕事だからと開始した任務が数秒も経たぬうちに、どうも失敗したらしいことを悟り、Aチームのメンバーは自衛隊への転職を本気で考え始めるのでした。




 ところかわって、バベル本部はAチームからの信号が途絶えたことに、戦慄していました。
 直前に送られてきた緊急のコールサインから、関係者に正体を見破られたことが判明。
 あまりにもタイミングのよすぎる監視部隊の壊滅。
 偶然、たまたま、関係者と鉢合わせなんて考えづらいこと。
 つまりは――皆本さんの罠。
 その答えに至り呻き声が漏れた瞬間、戦慄が怒りに変りました。
 ――あの野郎、本気で結婚する気だ!
 そうと分かればこのまま見物しているわけにはいきません。なんとかして邪魔しなければ。飛び出そうとする葵さん、紫穂さん。しかし、こういうときリーダーシップをとってきた薫さんが何故か乗り気ではありません。

「あたし……ちょっとおなか痛いってゆーか……あんま気分がよくないんだ。
 二人で先に行っててくれる?」

 まさかの不参加表明の薫さんに驚く一同。
 紫穂さんが精密検査を申し出ますが、薫さんは女の子の毎月のことと説明します。それでおさまる葵さん・紫穂さん・朧さん。ですが、逆に動揺したのが局長。
 薬飲んで楽になってから来て、と二人は先に、そして薫さんは残ることになりました。
 



 
 一方、皆本さんは自宅の床に倒れ臥していました。ついでに怒っていました。
 それもそのはず、久しぶりに帰宅したかと思えば、このお見合いをセットした素敵メガネの槍手さんに「逃がさないよ!」と叩き伏せられ、かと思えば帰宅した母親には、なぜか賢木先生がセットでついてきたとあっては、最早怒りしかありません。
 元気そうでうれしい。
 見合いに行くために見張ってた。
 任務の最中でお母さんにバッタリ。
 誰も彼も勝手なことを言う状況に、苛立つ皆本さん。ですが、子供というものは母親には勝てないのが宿命名ようです。

「そんなことよりお母さんにあいさつは!?
 ほんとにもう……!!
 もっとちょくちょく帰ってきてよね!!」

 そう言って抱きついてくるお母さんに皆本さんの怒りも瞬時に収まりました。収まったのも、抱擁を交わす皆本親子を見つめる、賢木先生のニヤつき顔に気付くまでの一瞬でしたが。
 気恥ずかしさもあって、反抗期っぽい振りのけかたでお母さんを離した皆本さん。
 ですが、今日の皆本さんは、なかなか女性との接触が絶えません。
 槍手さんに叩き伏せられる。お母さんとの抱擁。そして最後は、ドロップキックでした、突如現れた葵さんと紫穂さんの。
 皆本さんを散々踏みつけた後、葵さんと紫穂さんは訴えます。

「お義母さまもお義母さまよ!!」
「こんな見合い写真より20歳は老けてる女に息子を――――!!」

 槍手さんに。
 しかし、そんな怒る二人にも、皆本さんのお母さんのおっとり力は揺らぎません。皆本さんに聞いていた話から、瞬時に葵さんと紫穂さんを識別し「あらまー、かわいい!」とまったくもって動じません。
 皆本さんのお母さんが皆本さんを「コーちゃん」と呼ぶのを見て、ようやく二人も状況を理解。
 葵さんのテレポートで瞬時に、和服とおしとやかに着替えを済ますと、猫でも撫でるような声で、

「こちらこそお世話に……お義母さま」
「ふつつか者ですがどうぞよろしゅう」

 と挨拶をしなおしました。
 今更手遅れだと指摘しつつも、薄々予感していたことが現実となり、なんやらかんやらで騒ぎになるのも毎度のこと。驚くに値することではありません。そんなわけで呆れがちの皆本さんは、二人に、薫さんはどうしたと聞きました。

「あ、薫はちょっと」
「あの様子じゃ、今日は来ないかも……」

 この一言が、皆本さんを驚かせました。
 「え」と一言漏らしたきり、皆本さんは黙りこくり、そしてお母さんは、その皆本さんの異常に誰よりも早く気付くのでした。
 
 

>オ・レ・ハ・ミ・カ・タ・ダ
 つまり、兵部の作戦目的は「正義」なのですね(`・ω・´)

>ノロノロと、スーツ・ネクタイ・岡持ち・ヘルメット・学ラン・GジャンとGパン・ボディコン・巫女服に着替え
 学ランが出てることですし、地球人の服装とは微妙に外れた衣装とか、3mの宇宙人のツボにはまってるファミレスの制服なんかもリストに入れてやってください。
 ですが……流石に昔ながらの甲冑姿は通報されるでしょうが(´・ω・`)

2008.11.29 20:48 URL | すがたけ #- [ 編集 ]

>ミ・カ・タ・ダ

 ええ。感情が昂ぶりすぎると、年齢相応に皺が(ry

>服装

 あの服をなんと表現していいか、ちょっと思い浮かばなかったので、スルーでした(´・ω・`)
 ファミレスの制服はすっかり忘れてました。
 殿たちはむしろ、モンゴル時代の毛皮のコートで。

 コメントありがとうございました。

2008.11.29 23:09 URL | 美尾 #9ayR5QDw [ 編集 ]













管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://bbkiriblog.blog70.fc2.com/tb.php/768-41c89a3f