しっぽきり

 「美鳥の日々」「あいこら」の井上和郎先生の短編集「葵DESTRUCTION」の感想です。
○葵DESTRUCTION

一話

 和服をはだけさせるのが可愛い葵さん。
 女子体操着でジョギングするのがプリティな葵さん。
 超好きなチョコバナナをポクポクと食べるのがキュートな葵さん。
 が、そんな葵さんは三八歳のオヤジ。どう見ても美少女な葵さんを父親に持ってしまった哲夫の苦悩の日々。外見に引きずられているのか、天然な部分がありつつも、亡き妻の真のカラテカを育てたいという夢を継ぐために、道場を守ろうとする男気もある葵さんが健気。そんな部分も、哲夫の苦悩に拍車をかけてたりするのですが。

二話

 知らなければ幸せなこともあるよねというお話。
 その知らなければいいことが、美少女だと思ってデートに誘ったのが実は三八歳のオヤジという事実なわけですが。
 ウェイトレスの葵さんあり。

三話

 葵さんデパートに就職したり、再婚するかもというお話。
 ぬいぐるみを抱く葵さんが超ファンシー。入浴シーンもあるよ。


○古書店夜光奮戦記 (原案 吉永タタミ)

 短編集の中では異彩を放つ少年漫画の王道的なお話。
 変態要素が皆無。
 内容としては、古書店の息子・夜光が、紙魚虫が物の怪化し、持ち主の魂を食うようになった「本化け」を退治するというお話。
 「本化け」は、取り付いていた本の文章で喋るのですが、台詞だけでなく、本の内容も話の筋に活かされていると面白いかなと思う作品でした。

○フルスクラッチエイジ

 好きなことを一生懸命がんばるって素敵だよねというお話。たとえ、それがガレージキット製作でも。
 伝説の原型師E・MODELとして活動していた中学生時代を黒歴史として封印し、徹底的に自己改造に励み最強のイケメンとなったエイジと、彼を周囲で唯一E・MODELと知り、彼の作品に心動かされた原型師の卵・ナナ美さんのお話。

○音禰のないしょ (原作 中山文十郎)

 井上先生曰く、「女が持つとカッチカチにカタくなるエロ刀を持つ、ナイスバディな女剣士が主人公」なお話。本編もその通り。
 父親が残した潰れかけの道場を守ろうとする女剣士・音禰さんが手にしたのは妖刀。なにが妖しいのかといえば、大きさが変わったり硬さが変わったり。変わる条件は、女が絡んだときのみ。それもそのはず、妖刀には三十路になるまで女に触れたことがなく、それでも、ようやく、やっと惚れた女と祝言を上げられる日に刺殺された剣鬼・兵衛の魂が取り憑いていた。
 道場と女。それぞれ未練を残した一人と一本の物語。百合っ気もあるよ。












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