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しっぽきり

 お互いの祖父同士が戦地で孫を結婚させようと約束したとかで、なし崩しに同棲生活を送ることになった羽留うらら(一六)と坂本冬馬(一一・小学五年)のラブコメ。
 執筆時期は、久米田先生がまだ小学館にいて、なおかつ改蔵前、つまりネタメインの漫画スタイルを確立していなかった時代(確立は、改蔵中期あたりからでしょうか)後、作画もデジタル以降前のせいかまったく違っていて、表紙の絵(新装版)と本編の絵の差には驚くばかり。
 とはいっても、この頃からその話のテーマを明確に打ち出してそこから話を作っていくスタイルは既に確立していたようで、特に序盤の四回はそれが顕著で、一話から順に、「男たるものいかなる時も女を喜ばせること!!」「男たるもの、女の子に寂しい思いをさせない!!」「男たるもの、女の子の気持ちを察しなければならない!!」「男たるもの、女の子を守らねばならない!!」とタイトルからして、その回のテーマが丸分かり。
 話としては、基本的にうららが、冬馬を光源氏よろしく理想の男に育て上げるために条件を出して、冬馬がそれに応えようとがんばるけど、一一歳だからそれは何かズレていたり限界があったりでドタバタするけれども、少年ゆえの純粋さで最終的にはなんとなく良い感じになるラブコメ。
 バレンタインエピソードで、ホワイトデー三倍返しの話を真に受けた冬馬が、同級生からもらったチョコ三〇個を一万五千円と換算して、破産だ、サラ金行かなきゃと思いこむあたりが、いかにも小学生らしくて好きです。
 巻末に、地丹先生が愛についてミツオる豪華照れ隠しあり。












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