しっぽきり

 ヒーローショーという激闘を終え、帰宅中のクリエイティビティを存分に振るって満足のナギお嬢さまと、無意識の揉み行為を散々と言い出すハヤテ君。
 ヒーローショーの舞台を通った関係でいつもと違う帰り道。通りかかった懐かしい負け犬公園。思い出の地にナギお嬢さまの足が弾みます。
 駆け寄っていったのは、出会いの場所。自動販売機前。
 興奮気味にお嬢さまは問います。
 ここ覚えてるか? ここだよ、ここ。 
 ですが、ハヤテ君の返事はお嬢さまの期待に沿うものではありません。
 どうのこうのあって、孤島で元軍人に叩きのめされた若干アフロ気味の少年が、元軍人を父親代わりに慕う子供達となんとなく交流しつつ、元軍人の持ち出した兵器かなんかを追ってきた軍人を叩きのめした後、持ち出した兵器を海にぶん投げた聖地とか言い出して、作画がどうのこうのと豆知識を披露してお嬢さまをイラつかせます。
 ですが、それはもちろん擬態。
 ハヤテ君が女の子との出会いを忘れるはずがありません。そこは、二人の始まりの場所。四ヶ月前、二人が出会った思い出の場所。
 たった四ヵ月前のことなのに、色々なことがあったためか、随分と懐かしい。
 お嬢さまは時の経過に思いを馳せます。時が経てば、忘れていくことも多い。
 なので、お嬢さまは思い出を形に残すことに決めました。



 帰路を急いで三千院家。棚から出してきたのは、ライカM7。デジタルではなく、情緒を大切にしたいのか、フィルムカメラ。
 ハヤテ君の知識に驚きながらも、カメラを手に取ったナギお嬢さまが最初の被写体に選んだのは、マリアさん。
 自然体な写真を撮りたかったのか、撮るぞと告げることなく、シラヌイを脇に壷を磨くマリアさんにカメラを向けます。
 汚れがないか、壷を覗き込むマリアさんにピントを合わせるお嬢さま。
 が、シャッターを切った瞬間、お嬢さまが見たのはシラヌイを抱いてカメラに微笑むマリアさんでした。
 急に人にカメラを向けてはダメと注意するマリアさんに、何か釈然としないお嬢さまですが、カメラの重さもしっくりきません。カメラが重いのです。
 疲れた腕をプニプニと揉むお嬢さまにマリアさんが差し出したのは、M7よりグッと小ぶりでかわいいライカCM。
 これなら長時間持っていても疲れそうにない。上機嫌のお嬢さまは、日頃のHIKIKOMORIぶりをかなぐり捨てて、ハヤテ君を連れ出して外に撮りに出かけます。


 不機嫌な顔を横からパシャリ。
 お嬢さまが最初に訪ねたのは、レンタルビデオタチバナ。被写体はワタル君。 写真に凝ってみようかと思ってるんだと、さりげなく一八禁DVDのパッケージにファインダーを向けるお嬢さまに、ワタル君がしたのは注意ではなく、カメラ自慢。
 オートフォーカスなんて邪道。完全マニュアル仕様こそがカメラの華! と取り出したのは、五〇年前のカメラ・キャノンP。ハヤテ君に言わせれば、庶民派なのだそうですが。
 五〇年前のカメラなんて動くのかと不審げなお嬢さまに、ワタル君がまたとうとうと語ります。が、置いてけぼりにマニアックなトークを繰り広げるワタル君を、お嬢さまは「だから伊澄にモテない」とバッサリ。怒ったワタル君に、追い出されてしまうのでした。
 そんな怒ったワタル君をなだめようとしたのか、サキさんはワタル君に、自分のことを写してくれないかとせがみます。
 これをワタル君は一枚だけと快諾。さっそく、細かくポーズ指示をはじめます。
 顔の角度はこう。スカートをちょっと摘め。腰を少し落として、曲げて。そう、そんな感じ。あえてエプロン取ってもいいかも。あの雲、邪魔。
 素直に従うサキさんと、更なる指示を出そうと鼻息を荒くするワタル君。
 そんな二人を見る二人。まだ帰っていないナギお嬢さまとハヤテ君。
 マニアック、HENTAI、パワハラ、犯罪スメル。
 浴びせられる、ワタル君視点では罵詈雑言、客観的には真実の言葉に、再びワタル君は怒るのでした。


 
 なかなかいい写真が取れない。本来の目的は、思い出の記録。
 そんな会話を交わしているうちに、思い立ったのが、友人との撮影。ふらりと鷺ノ宮家。都合よく、咲夜さん、ハルさんまでいます。
 ナギお嬢さまの積極的な外出に驚きつつも、咲夜さんは自分もデジカメを持っていると、これまた高級機を出します。負けるものかと、伊澄さんも蔵からカメラを持ち出してきます。なんか値段のつきそうにないオカルトっぽいの。
 それはそれとして、気の利くメイド・ハルさんの提案で皆で記念撮影をすることになりました。
 咲夜さんのデジカメで、パシャリ。
 が、カメラが故障していたのか、何も写っていませんでした。少なくともハルさんはそう言いました。
 咲夜さんのデジカメには、三人の顔がモザイクとか、周囲に骸骨やら仏像みたいなのとか火の玉とかも残っていませんでした。ついでに、ハルさんがメイドスイッチをONにした瞬間もいつの間にか消えていました。


 
 何かがフィルムに刻まれる前に、鷺ノ宮家を抜け出した二人は、バイト先も撮っておこうと、喫茶どんぐりに舞い戻ることに。
 そこにいたのは、西沢さんでした。
 フィルムカメラをおしゃれと誉めた後、自分も最近写真に凝っているとポケットからカメラを取り出します。ただ、携帯電話。普通。
 そこにふらりと訪れたのは、愛歌さんに散々無言の弄くりを受けて、ヒーローショーから抜け出してきたヒナギクさん。
 ついさっき胸をもまれたことを思い出し、赤面するヒナギクさんですが、正体を隠していたので二人はそのことに気付きません。
 それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。ですが、真っ赤なヒナギクさんに、これまたヒーローショーなんて知らない西沢さんは、みんなで記念撮影をしようと言い出します。
 さらに慌てるヒナギクさんですが、これにナギお嬢さまが怒ります。「ハヤテとお前らに写真を撮らせるなんて」と怒ります。減るもんじゃないと子供みたいな言い草を西沢さんがします。ナギお嬢さまはフィルムが減ると、子供だからごねます。「みんな一緒に、一枚だけね」とここを収めたのは、大人な加賀さん。
 雇い主の提案には逆らえないから、一緒に写ってやらなくもないとお嬢さまも承諾。
 左真っ赤なヒナギクさん、前西沢さんをにらむナギお嬢さま、右勝ち誇ったようにナギお嬢さまを見下ろす西沢さん、真ん中そんな感情うごめく嬉しいはずのシチュエーションに怯えるハヤテ君の構図でパチリ。
 



 そんなこんなしているうちに日暮れて夕方。
 たいした写真は取れなかった上に、ハヤテ君とも自販機の前で写真が取れず不機嫌なお嬢さま。二人を迎えたのは、マリアさん。
 マリアさんの顔を見た瞬間、ナギお嬢さまが閃きます。
 最後に一枚。
 左にマリアさん、右にハヤテ君、真ん中にナギお嬢さま。
 皆、笑顔を浮かべた家族写真が最後の締め。
 ようやく取れた一枚に、微笑むナギお嬢さまは、上機嫌に自動販売機の前でとるのは今度でいいと笑います。
 だって、ずっと一緒にいるのですから。
 振り向き笑うお嬢さまに、ハヤテ君は昔ある少女と交わした約束の影を見ますが、それは写真には写りませんでした。












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