しっぽきり

 アニメ化されて、シリーズ終了でキリがいいので、絶チル感想は基本的に書きません。シリーズごとにまとめとかいう形に変えていこうかなと思います。絶チル感想に関しては、そっちのほうが、書きやすいかなと思うので。
消火は完了しました。
 薫さん、そしてヘリコプターで現場に向かう朧さんが驚くぐらい、皆本さんが出した指示の手際はいいものでした。
 感心する朧さんは、しかし次の瞬間突き飛ばされていました、同乗していた賢木先生に。野郎、セクハラかとおもいきや、違ったようで、テレポートで飛ばされてきた局長、須磨さん、操縦士の二人にぶつからないように突き飛ばしてくれたのです。自分が下敷きになったのは、消しきれなかった下心の結果でしたが。
 死地から無事帰還した局長は、そのことを認識すると同時に、隣で気絶していた須磨さんに掴みかかりました。政府顧問を名乗る須磨さんのせいで、ノーマル全員が、特に自分がチルドレンに嫌われることだったのです。国家権力なんてクソくらえだとばかりに、気絶した須磨さんの襟首を掴み、暴れ出そうとする局長。仮にも政府顧問相手に、局長に暴れられたらBABELもお終いです。それでなくとも言葉通り須磨さんを殺しちゃいそうな勢いの局長は止めなくてはなりません。なので、朧さんは賢木先生に指示しました。それを受けて、賢木先生は局長の頭に注射をブスリ。麻酔をチュー。局長気絶。
 振り舞わされた衝撃で起きた須磨さんは、叫び出しました。
 暗い部屋。声を聞いてくれない母親。届かない自分の声。
 須磨さんもまた、いい子でないと生き残れない子供でした。


 
 錯乱した須磨さんの言葉から、彼女の過去を察した皆本さんは、須磨さんも悪気はなかったとフォローしますが、葵さんと、紫穂さんは納得できないようでした。が、薫さんは幾分違うようです。といっても、須磨さんを許そうとしている、というよりは皆本さんにどう対応したらいいものか戸惑っているようでした。
 とりあえずのポーズとして、ツンしてみた薫さんに、どうやって空中移動したのか、皆本さんは近づき、おデコに触れました。そして、髪をかきあげました。額にあった擦り傷を確認し、早く医者に診てもらうようにいい、そして、痛かったのに、よくがんばった、と薫さんを心配し、そして誉めてくれました。
 心配されて、誉められて。今度こそ薫さんはどうしていいのかわからなくなりました。
 少し戸惑った後、本能でとった行動は、皆本さんを念動力で突き飛ばす。
 痛くなんかない。自分は強いんだから。
 そう強がってみましたが、心配してくれたことも、誉められたことも、薫さんにとっては、とても嬉しいことでした。
 とりあえず、そんな薫さんを落ち着かせようと、山口さんを放っておいて、三人は帰ることにしました。



 数日後。
 休憩室で皆本さんは、思わぬ待ち伏せを受けていました。
 朧さんがいたのです。
 一八歳で、学位を二つも取った天才。朧さんは皆本さんをそう呼びました。そして、だからこそ、特別な子供のことをわかってあげられるんじゃないかと、語り出しました。
 ――三人の担当のスカウトか。
 皆本さんは断ります。自分に出来ることはすでにやった。これ以上は自分の人生。強制されるなら、バベルなんかやめる。
 そう言いかけて振り向くと、いつの間にか朧さんが側に立っていました。香水の匂いなのか、甘い匂いがします。
 ――あの子たちにはあなたが必要。
 そう言いながら、皆本さんの腕をとりました。
 ――自分達を理解して、人のために何かをする楽しさを教えてくれる。そんな指揮官が必要。あなただって、子供の頃そんな人がいて欲しかったでしょ?
 問いかけながら、皆本さんの腕を自分の豊満な胸に当てました。
 ――ひとりはさびしくなかった?
 そして、じっと見つめます。
 鮮やかなコンボに、思わず赤面して皆本さんは、はい、と答えてしまいました。
 
 その瞬間に汗臭い連中が押し駆けてきました。局長と、特殊部隊です。局長の手にはレコーダー。
 言質とったとか、君の希望だとか、現場運用主任に任命とか、言ってます。
 朧さんのほうを見れば、なんだか素敵な笑顔で、「がんばってくださいね」とか言ってます。
 その後は単純に事態は展開しました。
 手足を取られ、簀巻かれ、担ぎ上げられ、拉致られました。そして、自衛隊の地獄の特訓とやらに送り込まれました。
 そんな皆本さんの一部始終を見ていた友人は後にこう言いました。
 
「それがお前の運命だよ」

 

 更に後日。
 チルドレンの三人は、聞いたことのないような、あるような名前の人間が新しい主任になることを知りました。
 その名は、皆本。
皆本さんの運命

 首を捻る三人の前に、その新主任が姿を表しました。
 見覚えがあります。でも名前は出てきません。さっき聞いた名前も忘れました。なので、三人は一番可能性の高い名前を叫びました。
 鈴木!
 なぜか怒りながら、新主任は、「皆本だっての!!」と叫びました。
 薫さんは、一瞬嬉しそうな顔をした後、そっぽを向いて知らないと言い出しました。
 葵さんと紫穂さんは、そんな薫さんに呆れました。
 皆本さんも呆れたようで、それならばと、こう言いました。

「はじめまして」

 そして、皆本さんと三人は再び出会いました。



 手料理を作りに来てくれた朧さんとの昔話を終えると、葵さんと紫穂さんがお風呂から上がってきました。
 後悔してますか?
 飛びついてきた葵さんとじゃれつつ朧さんは問いました。
 皆本さんの答えは、朧さんの望んだものでした。
 そして、一番の問題児で、一番の良い子だった薫さんは、昨夜の夜更かしのゲームためか、朧さんが来ているのに痛恨の睡眠中でした。
 豪快な開脚で眠る薫さんに、朧さんはチルドレンも、自分の望んだ形で時間を過ごしているらしいと、ホッとしました。
 そして、皆本さんを葵さん・紫穂さん・睡眠中だけど寝言という形の薫さんと共にいじめました。
 これが、皆本さんの運命だったのかもしれません。
 
 












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