しっぽきり

一本目 サイコメトリーで射撃に補正はついても料理には補正がつかない。それが、三宮クォリティ。
二本目 女の子は応援し、男の子は虐めたおす。それが蕾見クォリティ。

 現場に到着した、局長・皆本さん・サイボーグ。
 爆煙渦巻き、炎が踊る現場の惨状に狼狽する局長、そんな中、天才変態・皆本さんはさすがに冷静でした。落下地点の近くにメンテ用の地下通路を発見し、チルドレンがそこに逃げ込んだ可能性を示唆したのです。
 あくまで冷静な皆本さんは、応援エスパーが到着次第、調査を開始するよう提案。いかに冷静で天才とはいえ、そこはインテリ。自分が直接現場で働くという発想が持てません。
 そんな皆本さんの限界を見切り、局長は、突入を決断します。
 なんか燃えにくそうな服を羽織り、マスクをかぶり、ペットボトルの水を自分にかける局長。
 肉体労働を好まない皆本さんは、当然嫌がりますが、絆を信じ力を合わせることの大切さを、身をもって教えようとする局長は、皆本さん、そしてサイボーグを連れてダイブ。
 無事着地後も、組織への不満ばかりを口にし、自分のことしか考えられない皆本さんは、炎にうろたえるばかり。ちょっと人体を一瞬で炭にしてしまう温度で、平常心を失ってしまいます。
 しかし、そんな皆本さんはなかなか燃えません。なんと、サイボーグには冷却材が装備されていたのです。
 そして、冷却材が散布される短い時間を、地下通路への扉を開くことに専念した、真の冷静さを備えた局長によって、皆本さんは無事に、地下通路に入ることができたのでした。
 一方、サイボーグは燃えてしまいました。
 自分の傑作が燃えてしまったことを多少惜しむ九具津さんでしたが、それは少佐の命令でもありましたし、彼には他にも、モガちゃん・ネギ歌姫・ドジッ子メイドロボverYAKUTATAZU・MARIA・三人目・トミ子・乳酸ジャンク・デコKASHIRA・オッドアイDESU・オッドアイHASAMI・NANODAWA紅茶・NANO苺がいたので、平気でした。
 
 

 局長のスペック・決断力に驚愕を隠せない皆本さん。出せない角川さん。ですが、いかに局長が超人的な能力の持ち主とはいえ、この広そうな地下通路でロリ娘三人を探し出すのは容易なことではありません。と、思いきやばったり出会うことに成功しました。どうやら、局長は能力だけではなく、運も常軌を逸していたようです。
 二人にばったり出会ったしまったことにビックリの三人は、皆本さんを関口と呼んでしまいます。
 とりあえず再会を喜ぶ局長でしたが、チルドレン達の様子はちょっと変です。メガネに至っては逃亡計画とか言い出し始めました。
 つまり、三人はこの機会に逃亡を企てていたらしいのです。これは、いかんと制止しようとする局長でしたが、切羽詰った状況にある薫さんは、実力行使。二人を壁に叩きつけ、二人の情報が役に立たないことを知ると、テレポートで消えてしまいました。
 それを見た局長は、皆本さんに三人を説得するように頼みます。この地下通路も限界が近く、となればタイムリミットも近いのです。
 しかし、皆本さんには、三人を説得するのは難しいことに見えました。限界ギリギリのチルドレン達が自分の言葉に耳を貸すとは思えませんでしたし、そもそも権限も力もない自分の言葉が、説得力を持っているとは思えなかったのです。
 しかし、局長は譲りませんでした。
 国の利益も、安全保障も、そんな国や社会の都合なんて局長にはどうでもいいことなのです。ならば、なぜ救うのか?
 エスパーは人類の家族だからです。
 そして、チルドレン達は局長の孫娘に似ている。
 後者の理由は、皆本さんには局長の私的な感情のように思えましたが、それゆえに胸を揺さぶりました。
 そして、思い浮かんだのは二人の少女。
 一人はキャリーさん、そしてもう一人は無防備な寝顔の薫さんでした。
 そして、皆本さんは、諦め、譲り、受け入れ、駆け出しました。
 


 桐壺帝三、五三歳。三十代でおじいちゃんってありえなくね?
 


 チルドレン達は手詰まりでした。
 道は埋まり、表は灼熱地獄。紫穂さんも、地獄は一度見ておきたいと常々思っていましたが、自分が行くのはごめんでした。
 一方、二人は喧嘩中でした。
 逃亡が衝動的だったことを責める葵さん、逃亡の選択肢を狭める発言をしたことを責める薫さん。
 葵さんには、薫さんの無計画さが、夫に手作りバレンタインを作るために、ブラジルのカカオ農園の買収から始めた母親のような杜撰さに見えましたし、薫さんには、葵さんの軽率さが指で表すと三本ぐらいの軽率さに見えたのです。
 ですが、その時です。そんな二人を諌める紫穂さんに電撃が走りました。
 発生元は、ヒールを鳴らし近づいてくる、自分達を叱責し、疑い、虐待しつづけた須磨さん。
 もうない筈の鎖が、生きていることに同様する二人。
 続けて、葵さんにも電撃を走らせる須磨。
 二人を傷つけられたことに、キレる薫さんに、須磨さんは銃を向けるのでした。



 須磨は、地下通路中に響く轟音で目覚めた。
 ゆっくりと体を起こす。周りを見ればヘルメットを被った男が二人倒れている。ヘリコプター、操縦士。思い浮かんだ二つの単語が、須磨の覚醒を促した。
 自分の置かれた状況を思い出し、認識し、さらに周りを見まわす。
 二人以外は誰も、いない。
 再び轟音が響き、そして熱風が頬を撫でる。
 異臭がする。須磨には、それが何であるかはわからない。しかし、自然界に存在しないものであること、人体に有害なもであることは理解できた。
 そして、二つ、理解したことがあった。
 一つは、このままここにいれば、そう遠くないうちに死んでしまうこと。
 もう一つは、そんな状況に自分達を放置し、自分を殺そうとした人間がいること。
 須磨は、それを疑いようの無い事実だと信じた。状況はそれを否定しなかった。
 そうなればすることは決まっている。
 アタッシュケースから、拳銃を取り出し、立ちあがり、歩き始める。
 体に、腕に、足に、頭に痛みがあった。
 だが、そんなことは関係無い。須磨は一歩一歩、コツリコツリとヒールを鳴らしながら歩いていく。時折、吹く風に煽られながら、無表情に須磨は歩いていく。
 声がした。
 高い声だ。
 少女達の声だ。
 ――奴らの声だ。
 須磨は、笑った。
 心理状態比べれば、不釣合いな表情だ。が、須磨は笑っていた。
 ドクリドクリと、血が全身を駆け巡っていく。角を曲がる。
 ――いた。
 二人の少女が喧嘩していた。
 いつもそうだ。感情のまま行動し、それを注意すれば反抗する。
 一人の少女は、二人を諌めていた。
 これもいつもどおりだ。何もかも分かったような顔で、口を開く。 
 別段、誰からでもよかった。
 望んでいるのは結果だけだ。順番なんて、何の意味も持たない。
 手にした携帯電話を操作する。信号が送られる。少女に、電流が走る。
 須磨は指を動かしただけに過ぎない。ただ、彼女は鞭を持ち、少女達はいまだに鎖をはめられていた。状況が、些細な行為に付加価値をもたらしたにすぎない。
 それを言えば、少女達も同じだ。いや、少女達は行為すらしていない。須磨を放置しただけだ。そこが、やがて火葬場になる場所だったという状況を除けば、少女達が責められる謂れなど無い。
 状況がなければ、須磨はただの携帯電話を弄んただけであったし、少女達はただの無関心な子供でいられたのかもしれない。
 だが、携帯電話を少女たちに電撃をくわえたし、地下通路はごく近い未来に火葬場になった。
 出会ったときから須磨は厳格であったし、少女達は自分達と違う存在に頑なだった。
 始まった瞬間から手遅れだった。だから、須磨も、少女達も、お互いを憎悪していた。
 それが、今の状況だった。
 二度目の操作を行い、悲鳴をあげる少女を見ながら、須磨はふと思う。
 怪物的な能力を持った我侭な猛獣達という状況は、社会にそぐわないものではないだろうか?
 私怨と大儀は不可分となった。
 目の前で激怒している少女がいる。
 ――ああ、邪魔だ。
 社会にも、何より自分にも。
 拳銃を持ち上げ、狙いをつける。今度も、ちょっと扱う道具が違うだけだ。行為は変わらない。指を動かせばいい。そうすれば状況が、行為に意味を与えてくれる。
 ――社会の害を取り除くだけだ。
 須磨には、それが難しいこととは思えなかった。

いや、もう首輪はないんですけどね

2008.02.15 13:43 URL | 通りすがりのかんとく #- [ 編集 ]

Σ(・・)あっ……!

 先週ラストで薫が首輪を破壊したのは覚えてて、そして須磨主任が今週真っ先に一番危険な薫から先に電撃加えなかったの見て、勝手に一人合点してしまいました……。

 ご指摘ありがとうございました。

(文章、修正しました)

2008.02.15 14:15 URL | 美尾 #9ayR5QDw [ 編集 ]













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