しっぽきり

一本目 ロストブレイン
二本目 超能力はもはや無関係


 略取なんたらかんたらの変態をよそに、呼び出しを食らった三人は爆発とか黒煙とかの現場に辿り着きました。
 消火が難しそう、炎きれい、熱いとかそれぞれ感想を言ってると、須磨主任は解決策を提案してくれます。
 なんでも、バベル謹製の消火弾を現場を囲むように設置し、リモートコントロールで起爆させればOKなんだとか。
 そのためには現場に降りなきゃいけないのですが、薫さんはいやがります。紫穂さんは完全犯罪が成立するシチュエーションに、思わず犯行を示唆する言葉をボイスレコーダーに残してしまうほど興奮中です。
 小さな悪魔に震える須磨主任ですが、たまの休日はTSUTAYAでレンタルせずDVDをサイコメトリーすることで映画鑑賞や重めのドキュメンタリーを楽しむ紫穂さんがディスクを読みこみ、地下通路を利用するということを理解していました。
 いよいよ作戦開始、なのですが、須磨主任には一つ疑問がありました。
 乗り気なのです、チルドレンが。いつもは、不て腐れた顔で、「せめて朧さんぐらい胸があればな」とか、眉間皺とか、「そんなんだから彼氏にあんな振られ方するのよ」とか言ってくるチルドレンがやる気なのです。いつもは、エロオヤジ幼女とか、「過去編では、お前ずっとつなぎ役ばっかりだな、プッ」とか、ただ一言悪魔とか、やり返す須磨主任も、これには何かあるんじゃないかと疑いの目を向けますが、まさかチルドレンが、あの変態にリミッターの電気ショック機能を解除してもらっているとは思いもよりませんでした。
 なので、任務はきっちりこなせ、そうしなければ居場所はないということだけをしっかり思い知らせるように話を締めました。三人にとっては、リミッター改造した今がチャンス。
 思いが交錯するなか、須磨主任がリミッターを解禁しようとしたそのときでした。
 予想外の大爆発がおき、チルドレン達の乗るヘリコプターも巻きこまれたのです。
 そして、そのままヘリコプターは落下してしまいました。



 僕は、やってない。
 一方、社会から無事隔離された元天才の変態は、この言葉を繰り返していました。
 その元天才に冷ややかな視線を向ける男が一人。仮面をつけた正体不明のナイスガイです。
 世間がどう思うかの方が大事、ナイスガイはそう語ります。そう、皆本さんがいかに天才で完璧な計画を立て、物的証拠を隠滅していようが、状況証拠からみて罪を犯したことは確実。故郷の母親も大号泣なこと確実です。
 皆本さんは、仮面のナイスガイを局長と呼び、最低だ、悪の化身だと罵りますが、仮面のナイスガイは局長であることを否定。
 仮面を被っているのだから、顔は見られない、つまり証拠は何一つないのです。それでも、納得がいかないのか、天才ゆえに自分の間違いを信じられいのか、皆本さんは仮面のナイスガイをあくまでも局長と決めつけ、自信の湧き所に興味を示しあまりタメ口になってしまいました。
 そんな哀れな天才、皆本さんを助けようと仮面のナイスガイは九具津に指示を出します。
 九具津が局長と言ったように思えますが、それは皆本さんの勘違い。仮面のナイスガイの本名、菊地洋を聞き間違えたのです。
 菊地洋の指示に従って現れたのはKUGUTSU印のスーパーサイボーグ。手は人と木材に優しいチェーンソー。バベル、最新のテクノロジーを見せることで、研究者である皆本さんの関心を惹こうという菊地洋の計画でした。
 チルドレン指揮官への「異動願」を手に、チルドレンへの思いと、須磨主任がクソ女であることを熱く語ります。そして、局内からはもう志願者が出ないことを語ります。そう、菊地洋命令では局内から志願者は出ないのです。局長じゃなく、菊池洋だから。当然、須磨主任も菊地洋の命令は聞きません、部下じゃないから。
 ですが、皆本さんは拒否します。そもそも自分は研究員。同情の余地があるとはいえ、チルドレンがクソガキなのはたしかですし、自分じゃなくとも他にふさわしい人間がいる、と考えていたのです。
 それを聞いた菊地洋の声の調子が少し変わりました。
 誰だって面倒、誰かがやってくれればいい。
 それはたしかだけど、でも、面倒くさがられる子供は?
 その間、放っておかれてしまう。気付いた人間が何か、できることをしてあげる。そうすることがベストなんじゃないか。
 静かに語る局長に、皆本さんの拒否の態度も抵抗を失い、若干勢いを無くします。
 そこをチャンスと見たのか、菊池洋は再び九具津くんに指示。芸術的なシークエンスで変形していくスーパーサイボーグ。完成形は、顔の部分に掌。手の位置に足という前衛的なフォームを受け入れられなかったのか、皆本さんの精神が不安定に。精神的なダメージと「異動願」の二者択一が始まります。
 なんど精神的ダメージを選んでも、再び菊地洋は二者択一を迫ってきます。それも、また精神的ダメージです。
 が、そこに救いの女神が現れます。
 朧さんが、チルドレン達の乗ったヘリコプターが墜落し、生死が不明であることを報告してきたのです。
 一瞬フリーズし、それから震え出す菊地洋は、スーパーサイボーグと皆本さんを掴んで駆け出します。
 その際に仮面が落ちました。そして、迅速に局内への指示を出し、現場に直行。
 その姿はまさに、バベル局長・桐壺帝三そのものでした。
 ですが、皆本さんが局長と呼んでいたのは局長ではありませんでした。
 そう、たしかに朧さんが緊急事態を告げるまでは、菊地洋だったのですが、告げた瞬間に何者かが、無意識に世界を作り変え、菊地洋の存在を局長に置き換えたのです。たぶん、ハルヒ声のあいつです。三年前の七夕が原因です。



 一方、チルドレン達は助かっていました。
 解禁が間に合い、葵さんのテレポートが成功していたのです。パイロットも、須磨主任もつれてきてしまったことを失敗したかもと語る三人の少女。でも、後悔はしていませんでした。
 超度七の彼女達を止められる存在なんていやしなのですから。
 

 
 そんなことは露知らず、皆本さんは自分にできることを考えていました。












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