しっぽきり

 この記事は少年サンデー6号のネタバレを含みます
 随分と普通の任務は久しぶりな気もするけど、今日も今日とて、任務中のチルドレン。
 居眠り運転のトラックを投げ飛ばして、死者二〇人の大惨事をヘリ墜落軽傷三名とトレードする大活躍に、BABEL上層部も大喜びです。
 局長はべた褒め、不二子さんは奢ってくれます。
 大喜びの薫さんは、カツ丼とモツ煮込みをリクエスト。
 淑女の嗜みとして、パフェをリクエストするように教える不二子教授に、紫穂さんはパフェをリクエスト、表面上は。本当におごってもらいたかったのは、血のしたたるレアステーキでした。紫穂さんが特に頼んだのは、今朝お肉になったばかりの牛。寝かせると味がよくなるらしいのですが、通の紫穂さんは、味よりも新鮮な声を優先するのでした。
 そんな三人ですが、今回の任務に関しては皆本さんの評価も上々。チルドレンを目に入れても痛くは無いとはいえ、それ故に彼女達の任務に冷静な評価ができているか、最後の理性で不安に思っている局長も、部下からの好評価に大喜び。皆本さんの指揮のおかげと、朧さんも褒めてくれます。
 ですが、皆本さんには多少の不安がありました。
 いまだに大きな変化を見せない、チルドレン達の未来に関する予知。
 そんなことがあるはずはないと、予知結果が映るモニターを狙撃する局長。チルドレンの悪評の半分は局長でできています。
 そんな局長に呆れながらも、皆本さんが担当になってから、チルドレンもだいぶ変わった、といやに皆本さんを持ち上げる、崖っ淵ヒロイン朧さんの言葉に、初めてチルドレンに出会ったときのことを皆本さんは思い出すのでした。



 時は一年半程前。
 バベル研究施設。再び同僚となった皆本さんと賢木先生は、研究室でなにやらいじくっていました。
 いじくっていたのは、皆本さんお手製の新型リミッター。重さ・形は従来通りで、出力五パーセントアップと、成果は上々。イマイチ、活躍しきれない賢木先生も嫉妬する活躍ぶりです。
 話題はチルドレンに。局長曰く、国宝級であるために、まだ会ったことの無い超度七のチルドレン。子供で、三人と皆本さんは断片的な情報しか知りません。が、賢木先生は会ったことがあるようで、チルドレンが常識外の存在であるかのような口ぶりです。
 そこに一本の電話が。
 噂のチルドレンが、任務中に負傷したらしいのです。


 負傷したのは未来の貧乳。
 心配そうに見守る、チームメイト二人とは対照的に、上司は呆れ顔で冷たい視線を三人に浴びせていました。


 到着後、賢木先生は治療に向かい、さすがに医学は専門外の皆本さんは、手が空いてしまい、休憩室に向かうことにしました。
 そこでは、チルドレンについて噂されていました。主に、といよりは徹頭徹尾悪い方向で。
 チルドレンが来るたびに警備が強化されて仕事が遅れる、超度七は化け物、性格も悪い、何か壊して帰る、怪物だ。
 聞こえてくる悪評に、昔、浅からぬ関係にあった女性を思い出す皆本さん。
 ――彼女も、しょっちゅう物を壊していたけど怪物とは呼ばれていなかった。
 巨大な赤ん坊と、言葉の通じる子供の違いか、日本という国はこれだから云々という政治的主張がどうたらこうたらなのか、あるいは単なるのろけか、そんなことを考えながら、一見いやにトロッとした感じに見えるコーヒーを飲み終え、屋上に出ると、アンテナで一人の少女が、枯葉を遊ばせていました。悲しそうな顔で。
 アンテナに座り、枯葉を自在に操り、そして首にリミッターと思しき首輪をつけた子供。
 皆本さんは、その少女がチルドレンの一人であることに気付きました。
 同時に、少女も皆本さんに見られていることに気付きました。
 涙目でいたところに不意をつかれた怒りか、それとも、覗きか、盗撮か、セクハラか、視姦とでも勘違いしたのか、怒声をあげる少女。
 悲しそうだったからと弁解しますが、その言葉が少女の怒りに更に油を注ぎました。
 空を飛び、皆本さんの側に近寄り、そして見えない力で彼を壁に押しつけたのです。
 それが、皆本光一と、明石薫のファーストコンタクトでした。
















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