しっぽきり

(この記事は少年サンデー51号のネタバレを含みます)
 そんなわけで皆を助けるために囮になろうとダイブ中の東宮坊ちゃま。
 それと付き合うように、雪路さんの計略は見抜けても自分の体重が崖に与える影響は予想できなかったクマさんもダイブ。
 当初の目的を半分果たしたとはいえ、もう半分の自分も無事という部分はどうやら果たせそうもない予感。
 人間が死ぬ前に見るとか言う走馬灯を坊ちゃんも見るわけですが、そこで見るのは当然、彼の執事さん。自立を促す彼の期待に応えられるほど自分はまだ強くない。
 そこに差し伸べられたのはハヤテ君の手。ハヤテ君をつかんでいたのは虎鉄さん、虎鉄さんを持っていたのは雪路先生、先生を支えるというか腰につかまっていただけなのはワタル君。きっと、胸を掴まなかったのは、年上キラーのワタル君ですらダブルスコアは未知の領域で二の足を踏んでしまったから。
 落ちていくクマを見送り、安堵の微笑を見せたハヤテ君は、坊ちゃんの勇気を称えるのでした。



 帝爺さんから授けられた石の力に戸惑う愛歌さんの前に現れたのは、MAIGO OF MAIGO、迷走する現代社会が生み出した迷子の女帝・伊澄さん。
 見つけられたのは辿りやすいからと語る伊澄さんが、愛歌さんの胸元、魔石に見たのは髑髏のオーラ。そしてとった行為は、魔石の抑制。
 その力は過ぎた力だと忠告する伊澄さんに、彼女が特別な力を持つ少女だと察した愛歌さんは、その言葉に素直に同意するのでした。



 もう一つの動物と友好的に行動をともにする、ヒナギク小隊。
 山頂も間近と喜ぶ一行のなかで、別の意味で安堵の表情が一つ。
 白皇生徒会書記にして、愛沢家メイドの千桜さん。
 クラスメイトを知ったときは、正体がバレて末代までの恥と怖がっていたのですが、ナギお嬢様が案外自分に無関心な様子を見て、「ああ、やっぱり一メイドが金持ちに特別な関心を払われるなんて話は漫画の中だけの話なんだな。まっ、一番可愛いのはメイドに暴走する作者だけど」と身分の差に安心しますが、綻びは意外なところからやってきました。
 汗一つかかない鋼鉄ボディのヒナギクさんに呆れるナギお嬢さまに、 「安彦絵は筆かわいい、ミライさんもシリーズ重ねるたびに痩せていくのがかわいい、シャアヘタレかわいい、クェスは会話不成立かわいい、シャクティは病気かわいい、カテ公もとち狂いかわいい、カミーユはキレかわいい、ハマーンさま女帝かわいい、でも監督が一番、かわいい、あの後光のさしそうな頭がとくにかわいい、エキセントリックかわいい」とかわいいを追及する過程でガンダムにも着手していた千桜さんは、ついついガンダムネタで反応してしまったのです。
 まさかこんなところで、趣味の合いそうな返事をしてくれる相手がいるとは思いもよらず、「Gは許せる? SEEDは?」と問おうかどうか躊躇っているお嬢さまのとの会話を切るために、グッドタイミングで現れた愛歌さんに大げさに反応して逃げる千桜さんは慌てかわいいのでした。

 そんなわけで、どういう末足を発揮したのか追いついた愛歌さんに千切られたのか、それとも逆にブッ千切ったのか、それともクマさんの存在に引きよせられたのか伊澄さんがたどり着いたのは谷底
 あの集団は獲り逃したけど、せめて目の前の少女をいただこうと襲い掛かるクマさん。
 が、そこは鷺ノ宮家の光の巫女。相手が悪すぎました。
 クマさんの渾身の一撃は結界バリアに弾かれてしまいました。自分の力のみを信じて高尾山に君臨してきたクマさんにとっては、熊生観が変るほどのショック。
 そんな茫然自失のクマさんを「飢えていたわけではなかろう? そもそも、私に勝てるとでも思ったのか? のぼせ上がるのも大概にしておけよ、畜生め」という意味合いの言葉で諭し、振り返る伊澄さん。その手には、お札。自分の餌になるはずの予定だった少年よりも確かな野生の勘で生命の危機を告げてきます。
 が、勘はあっさり外れました。伊澄さんのお札は寸止め。それどころか、自分の怪我さえ労わる言葉をかけきます。戸惑うクマさん。が、幸福なことに「怪我の治療をするかわりに、山頂まで連れて行って欲しい、断ったらどうなるかわかるよな?」という意図を言外に含ませる伊澄さんのお願いには素直に従う判断力を残していたのでした。




 そんな巫女と野獣が目指す山頂に到達したヒナギク小隊の皆様。
 ポコ吉を抱き上げるナギお嬢さまの眼前に広がっていたのは、霞に包まれた色とりどりの緑と、透き通るような青色の織り成す色彩美。
 目の前の絶景に息を呑むお嬢さま。
 感想を尋ねるヒナギクさんには、ポコ吉に感動をなすりつける返答をしてはみたものの、本音と充実感は隠せない様子。
 そんな一行にハヤテ君たちもようやく追いつきます。
 ただし、その姿はクマさんとの激闘のせいでボロボロ。
 自分とは、体力が桁違い、というか体の構造とか流れている血の色すら違うのではと疑っているお嬢さまにとって悄然としたハヤテ君の姿はとても意外なものでした。
 が、聡明なお嬢さまはもう一つ気になる点を見逃したりしません。
 恋する瞳でハヤテ君を見つめ、気恥ずかしげに袖をつまむ東宮のお坊ちゃん。
 すわ新たなフラグの成立かと慌てるお嬢さま。
 二次元なら描くのも読むのもドンとこいなのですが、リアルでやられてはさすがにつらく、それも
いとしのハヤテ君がやるとなっては黙ってもいられません。
 なので、早速二人を分断するお嬢さま。が、分断したハヤテ君にいい笑顔で飛びつく虎鉄さん。それもどうにか振り払うお嬢さま。が、振り払ったハヤテ君にしがみつく東宮坊ちゃん。それを、再び阻止するお嬢さま。フリーになったハヤテ君に走りこむ虎鉄さん。それを、お嬢さまが――
 無限ループ状態の三人のコントに、顔を赤らめる千桜さん、BLの概念自体があまり身についてないのであきれるだけのヒナギクさん、触発されたのかヒナギクさんをねっとりとした視線でなめまわす美希さんと反応は人それぞれ。そこにクマさんカーで山頂まで一気に上り詰めた伊澄さんも合流。
 そんな山の上の愉快な面々に、にぎやかなんだか、そうぞうしいんだか、たのもしいんだか、あぶなっかしいんだかわかりませんが、とにかく楽しい一年になりそうだと、雪路さんは満足そうにうなずくのでした。一つ肝心なことを忘れてましたが。



 屋敷に帰って夜。
 マリアさんに対しては幾分素直なナギお嬢さまは、楽しかった山登りの感想を語り、心地よい疲労に包まれながら夢の世界に。
 そんな、穏やかな寝息を背に部屋を後にしたマリアさんが向かったのは中庭。
 手にしたのは、動物用の餌。待っていたのは、タヌキとウサギ。
 つまりはそういうこと、全てはマリアさんの罠。うまくいったのがよほど嬉しかったのか、口調もちょっと若々しいです。

 一方、圧倒的な戦力差にすっかり牙を抜かれてしまったクマさんは、鷺ノ宮家の一員となるべく、迷子になりそうなご主人候補を導きつつ下山するのでした。 
 


塀の中の懲りない面々 (新風舎文庫)塀の中の懲りない面々 (新風舎文庫)
(2004/04)
安部 譲二

商品詳細を見る












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://bbkiriblog.blog70.fc2.com/tb.php/374-0e55c692

ハヤテのごとく!153話【遠き山に日は落ちて谷にも落ちて】畑健二郎
 マリアファンが一番不幸だった。  この話に出番がないことを知っていたから。  次に牧村主任が不幸だった。  この話に盗撮のチャンスがないことを知らなかったから。  マリア本人は不幸ではなかった。  自分に出番がないことすら知らずに焼き芋つついてた...

2007.11.22 17:39 | 360度の方針転換

ハヤテのごとく! 第153話感想
 ハヤテのごとく!の新学期はここから始まり、  私がこれから迎える長期連休は明日から始まる。  そんな流れで始まるハヤテのごとく!の第153話  「遠き山に日は落ちて谷...

2007.11.22 17:52 | ゲームの戯言+α

連載153話にマリアさんビーム。
わたくしたちのマリアさん、食材2つもゲットして、とっても楽しく歩いてました。 すると、ふと視界に入るナギお嬢。 どうやら、意図もしないでまた彼女たちと鉢合わせてしまったようでございます。 とに

2007.11.23 05:04 | 神聖マリアさんビーム

ハヤテのごとく! 153話
 打 舞 流 叛 魔 ー  金剛番長が面白すぎるんですがどうしましょうこれ。

2007.11.24 03:22 | くるくるばたばた