しっぽきり

(この記事は「ハヤテのごとく!」141話のネタバレを含みます)
 扉絵はパーティドレス姿の咲夜嬢なので咲夜嬢誕生日パーティ編なのでした。
 
 色々あったバイトの帰り道、咲夜嬢の誕生日を思い出す借金執事と初めての違法労働にお疲れ気味のお嬢さま。出席するかどうか問う執事の声にもウトウトと生返事。
 お嬢さまは、がんばったからという執事の誉め言葉に喜びながら、グッスリとお昼寝に入るのでした。
 


 チビッ子、バイト疲れでグッスリとの報告に、無理せんでもと返す大人の咲夜嬢十四歳、本日の主役。
 その本日の主役の元に駆けつけた幼馴染は、現段階でワタルただ一人。伊澄さんはいつも通りの重役迷子。
 パーティ会場には人が一杯。でも、本当に祝って欲しい来てくれた気心の知れた幼馴染はワタル君一人のみ。本編に出てきたキャラとはあんまり交流がないので、来てくれた名前ありキャラもワタル君のみ。
 寂しがる咲夜嬢。
 そんな咲夜嬢の欲しがるのはささやかなおもしろ。
 何百人単位の観客が見守る中でのささやかなおもしろ。
 目を輝かせてはりきってどうぞと三回しか重ねないぐらいのささやかなおもしろ。

 


 そんなわけでワタル君が陥ったのは舞台という名の地獄。
 あまりの人にビビるワタル君。
 金持ちのパーティだと分かってるのに普段着で来てしまったワタル君。
 スポットライトが絶望を煽るなか、「ずいぶんと勇気のある友人」とワタルを称えるハルさんと、「前世は勇者」と期待する咲夜嬢。
 期待には答えたいが、ハードルは高すぎる。
 が、そこは数少ない男キャラ。微ハーレム属性の勇者王。
 見せてやる、本当の勇気の力をとばかりに披露したのは、ハルさんも作り驚愕するフィンガーテクニック。マギーっぽいの。
 
 十秒間の停止を経て動き出す世界。
 乾いた拍手、搾り出される歓声、引きつった笑顔。
 そんな中、素で感動できるサキさんは、ある意味ハルさん・マリアさん以上のメイド力の持ち主なのでした。
 

 
 大舞台から逃げるように退場し、控え室で落ち込む元勇者王こと失笑野郎。
 そんな失笑野郎を当てて励ます咲夜嬢。

 いつもはお姉ちゃんな咲夜嬢は、ワタル君が自分のためにがんばってくれたことが何より嬉しかったのです。
 
 玉砕も辞さないワタル君の勇気をカッコいいとか、伊澄さんが見てたら惚れるとか、自分もそういうとこけっこうスキだとか、感謝の言葉を口にする咲夜嬢。

 それに照れたのか、あるいは、おばあちゃんの言うとおり男は狼なのか、ワタル君は急に立ちあがり、撥ね退けたのか、それとも撥ね退けるふりをしたラッキータッチ狙いだったのか、とにかく胸に手を掠めさせたあと、これまた弾みなのかあるいはソフトに大外がりに移行したのか、マウントポジションをゲット。
 あまりなシチュエーションに赤らむ頬に、高鳴る心音。

 が、そこは少年誌。目撃者がいました。
 見ていたのは、CDデビューも決定した深海魚界のカリスマ・鷺ノ宮伊澄さん。
 
>「咲夜がワタル君をスキで、ワタル君が咲夜を襲っている」

 咲夜嬢は誤解とは言っても、この先いろんな所で増えるんだろうなこういう検索ワードと、予感させる深海魚界のトレンドリーダー鷺ノ宮伊澄さんの一言。
 が、「当ててんのよ」のところから一部始終をガッツリと覗き見していた深海魚さん。
 ワタルが自分に惚れていることを知っているようにも見えますが、どうせあのギャグを伊澄に見せたかったとかになりそうなので、たぶんそれはミスリード。
 恋愛イベントは先延ばしにしてメガネメイド・メガネシスター、あわよくばペタ十三歳・キョニュウ十四歳とのフラグもキープするユルハーレム状態にいたいのか慌てふためくワタル君でしたが、アンコウはネタチョイスの失敗を的確に指摘し、状況判断のできない男には興味ないわと、結構選り好みするタイプであることをアピールするのでした。


 失笑王の心の返り血を全身にたんと浴びたにも関わらず、どうして失笑王が精神的に致命傷を受けているのか不思議そうな天然破壊魚と、近頃友人が理解できなくなりはじめている咲夜嬢の目の前に駆けつけたのは三千院ナギ嬢と綾崎ハヤテ氏。
 疲れて寝てると聞いていたので、すっかり来ないものと思い込んでいた咲夜嬢は当然、驚きます。
 コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、リボビタン、ゼナ、チオビタ、毒サソリエキス、駄目なときは水平線を見に行けという炎尾先生の教え、ナースメイドさんがくれたニンニク注射・鍋で煮え立っていた不思議な汁と、ありとあらゆる手段を総動員して目を覚まして来てくれたナギ嬢のプレゼントに咲夜嬢も大喜び。
 感謝されツンとしてみても、溢れ出る咲夜嬢への好意とニンニク注射の後遺症が三千院ナギ嬢の高貴雰囲気を引き立たせます。
 そして、綾崎ハヤテ氏は「お嬢さまのお供ですし、僕手ぶらでいいでしすかね?」「ああ、いいんじゃありませんか? そのほうが咲夜さんも喜ぶでしょうし」と出掛けに交わした紺カーディガンも麗しいナースメイドさんとの会話の意味を思い知るのでした。








 舞台へと続く通路。
 一人の少年がうずくまり、あらぬ方向を見つめながらブツブツと何事かを呟き、時折狂ったように笑い出す。否、

 ――既に狂っている。壊れている。

 綾崎ハヤテは、その少年に憐憫する様子を見せなかった。
 その少年の姿は、未来の自分の姿と予感していたのだから。

 そんなわけで、次週。












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