しっぽきり


 三度目のカラー。
 執事がしたのはまず女装でした。どこのものかわからないセーラー服。
 「男らしくしろ」というクラウスさんのアドバイスなんざブッチです。
 だって、事実上の支配者であらせられるマリアさんだって、フリフリの服を着せてきたんですから。

 匠の技と女子高生テンションで、全体的に猫チックにコーディネートされたハヤテちゃん。
 光り輝くその姿は、タマの獣の本能を刺激。
 押し倒し、外に飛び出すタマとハヤテちゃん。お花畑を避けるあたり、タマも学習能力あり。
 鼻息荒く、押し合い圧し合いもみ合いを繰り広げるタマとハヤテちゃん。
 頼みの綱と目撃者を頼ろうとしても、タマの教育方針のサンプルを得ようとするお嬢さま、心配してるようで冷静なマリアさんと助けはなさそうです。
 独力でなんとかしなければ、そんなハヤテちゃんが選んだのは足の力で首投げ。
 なんとかかんとか首からヤバイ音を立てて落下したタマから貞操を守ったのでした。

 しかし、ピンチは終わりません。
 ハーゴンを倒した後のシドーよろしく登場したのはクラウスさん。
 趣味の、庭の花にオリジナルの花言葉付けとかでのべッとした間抜け面で気を緩めていますが、反ハヤテ派の急先鋒。マリアさんが実権を握っているとはいえ、忠告されたばかりのことをブッチギッた姿を見られてしまってはクビになってしまいますし、第一いくら嬉しくて嬉しくてたまらない女装とはいえ、男の人に見られるのは気恥ずかしいことです。
 なので、器用に尻尾を揺らしながらハヤテちゃんは逃げようと考えました。
 
 抜き足、差し足、バキッ

 が、そこは寸前×持ちのハヤテちゃん。不幸からただでは脱け出せません。
 立てた物音に、反応し追跡を開始するクラウスさん。さすがに、寝ているお嬢さまを起こさずにベッドの下に潜り込めるだけあって、見事な体さばきです。
 対して、猫足な上に、ミニスカだけど安易なサービスカットは提供しまいと固く誓っているハヤテちゃんは、動きにくいことこのうえなく、いまいちスピードに乗れません。
 ――追いつかれる。
 せめて、正体を隠そうとリボンを顔に巻きつけました。
 前は見えません。
 でも、ハヤテちゃんには心の目が――

 あるわけないですよね、常識的に考えて。

 当然攻撃もかわせず、必殺のクラウスキックを食らったハヤテちゃん。
 とどめをささんとするクラウスさん、解けるリボン。
 絶体絶命の大ピンチです。
 最悪で命の終わり、よくて変態扱いで放逐です。ビラを電信柱に貼りつけされて、ご近所の笑い者です。

 が、ハヤテちゃんは大事なことを忘れていました。
 
 クラウスさんも変態だったのです。
 なので、ハヤテちゃんに惚れてしまいました。
 性別差はたいして気にしないもののやっぱり四十歳以上の年の差はキツイので、ハヤテちゃんは嫌そう。
 そこで、ようやく助けの女神さまが。
 マリアさん、愛用の竹箒が二週続けて炸裂したのです。もちろん、クラウスさんは一撃で気絶。
 こうして、ハヤテちゃんはなんとか貞操を守りぬいたのでした。
 
 二つほど、大きな勘違いとヒーロー・ヒロインの二刀流という大きな可能性を残して。












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2007.09.02 01:29 | 360度の方針転換