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しっぽきり

 長かった……。
 過去に戻りケネディ暗殺を阻止しようというのがこの作品の対外的な華ですが、実際読んでみると過去で知り合った女性セイディーとのラブロマンスが本質だったのかなと。
 文庫で読んだのですが、各巻読んでいた印象が、

上巻  キングとベトナム戦争、アトランティスのこころでも見たけど、国柄なのかキングの世代なのか、大きな事件なのだろうな。
中巻  このオズワルド家の家庭内不和をいつまで見ていないといけないんだろう……?
下巻  過去君、改変受けた後のキレ方がいくらなんでも力業すぎひん?

 という感じ。
 上巻。
主人公ジェイクは作中における現在の時間2011年時点で35歳でケネディ暗殺の後に生まれた世代なのですが、まず最初の過去行きで教師である彼の教え子(ではあるが紆余曲折あり遥かに年上)ハリーが父親からの暴行で後遺症を抱えてしまう事件を解決させたものの、健康体になったがゆえにベトナム戦争に従軍しそこで戦死してしまう→ベトナム戦争の悪化を避けなければいけない→ケネディを救おうで、動機付けを強化するのがうまいなと。1950年代と2011年の世界のギャップに戸惑う主人公の描写も巧み。
 中巻。
 排除する対象オズワルド、そしてヒロイン・セイディー登場。話が加速するかに見えて、実はこの巻が一番冗長というか。オズワルド家の家庭内不和をいつまで見ていればいいんだろうと、ある意味で一番主人公に感情移入してしまうところではあるんですが、うーん。なんかもうちょっと短くなんなかった?
 過去は変えられたがっていないという表現、そして障害がたびたび出てくるのですがヒロイン・セイディ自体が実はそうだったんじゃないかと勘繰ってしまうというか。アレな元夫の影響が強く、ここもしんどめ。
 下巻。
 ケネディは救えたがセイディは死に、過去は改編にブチギレて世界はとんでもないことになる。バタフライエフェクトでどうこう以上に、地震が頻発しているあたりでパワープレーに走りすぎだろうという感じが。
 とはいえ過去に対してもう何も手出しはできない事を悟った主人公が、一心にセイディの無事を祈る切なさや、ラストシーンの「セイディーは夢を見ている」の一文は美しく、素敵でした。












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