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しっぽきり

 物悲しい、切ない。
 大体そういった感じの言葉になる映画です。

 河近くのうどん屋の息子信雄は河にやってきた舟で水上生活を営む喜一と交流を持つ。しかし喜一の母親は売春をしており、という話。
 信雄と舟の少年喜一の交流を中心に進むのですが、合間合間に崩れた荷馬車の荷物で死んでしまうおっちゃん、船から落ちて死んでしまうおっちゃんと死の匂いが漂います。なので、天神祭りの近くで父親が姿を消したあたりで「父親も死んだんだな」と勘違いしたり。ただこれも肩透かしかと言えば、戦争が終わったのにスカみたい(くだらない事であたりのニュアンス)に死んでしまう事、元の妻が死病である事を踏まえると、父親もどうにもならなくなった心を落ち着けるためにそういう行動に出たんだなと想像できてしまうあたり、よくできています。

 結果的に、信雄が喜一の母が男と体を重ねているところを見つけてしまい、それが原因なのか(おそらく信雄はそう思うでしょう)喜一一家が暮らす舟が河を去っていき、それを追いかける信雄が喜一の名前を叫ぶところで話は終わります。
 このラストももちろん悲しいのですが、そこに繋がる天神祭りの夜で、信雄と喜一が信雄の母親からもらったお金を落としてしまい、地べたを這うようにして落としたお金を探すものの、夜の、それも祭りの雑踏の中では当然見つからない。結局見つからずトボトボと祭りの喧騒から離れて夜道を帰る。 そのお詫びとして、喜一が信雄に蟹を燃やすところを見せて「面白いやろ?」と聞く。そして、それを止めようとした信雄が目撃してしまう。
 目撃シーンはまあ通過点としてあるだろうと何となく身構えはしてたのですが、その過程の、寄る辺なさとか、ズレとかが私の本当に弱いところをついてきてて、泣きはしなかったけど、「ああ、もう……」とうなってしまいました。













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