しっぽきり


 おもしろかったです。

 ヒーロー物然とした作風よりは、毒斎様の小悪党っぷりとか、山路一家の生活感あふれる描写とか、フワっと柔らかい空気で、ホームドラマのような空気。

 妹が誕生日会に着ていく服を買うのに、バイトを頑張ったり、特別にキャラ立てのためのスキルを見せるという形でもなく普通に料理をする闘刃ほど所帯じみたヒーローもちょ
っと珍しいんじゃないかなあと。というか、哲山さんは、家の中のことももうちょっと頑張ろう。

 では、柔らかいだけかというと、そういうこともなく、忍者としての有能さや人脈の広さで別格感がある哲山さんが、後継者としての闘刃を育てる師匠役として機能することで、物語を締めてくれました。

 ただ、その分、麗波さんは、割を食ったというか。設定上、いくらでもエピソードを作れそうなところを、山路一家のドラマに立ち位置を作りきれず、とはいえレギュラーキャラなのでそんなに突飛なこともできずに中途半端なことになってしまった印象。

 妖魔一族は、拠点が転々と変わったり、他の世界忍者の悪事に便乗したり、なんとか騙して利用する作戦が多かったりと、前年のカリスマ性あふれるゴッドネロス様とは対照的でしたが、それ故、反対の魅力にあふれていました。いや、冷静に考えると結構な悪行をやってるはずなんですがw 最後にジライヤが毒斎様を抹殺すると言い出したときに、「えっ、何もそこまでしないでも」と思ってしまうぐらいには、憎めないキャラクターでした。
 世界忍者を群像劇的に描きつつ、山路一家の物語を描く上では、それぐらいでちょうどよかったのかな。
 蜘蛛御前登場後の、昔の女にそそのかされてやる気を出しちゃう毒斎様と、その姿を目の前で見せられて面白くない紅牙さんが嫉妬したりと、なんともたまらない一幕。

 世界忍者の扱いも、メタルダーのやろうとしていた、「怪人役を使いきりにせずに活用していく」を違う形で昇華していて味わい深かったです。二代目とか弟とか、苦しい出し方も結構ありましたが。
 複数回登場していくうちに不思議な味を醸し出していくもので、ルー語を使いどう考えても際物だぞコイツみたいな印象だったのが、終盤は「フクロウ男爵が来たから安心」という頼もしい仲間に変わったり、旅回りの芸人と化したワイルドさんの二進も三進も行かない状況に涙したり、紅とかげさんの刀への執着ぶりに人間の業に思いを馳せつつ呆れたり、と後半に行くにつれて楽しめました。
 基本的には仲間なりライバルなりで、完全に敵対することはないとはいえ、やんちゃしがち(特に紅とかげさん)な世界忍者を「俺とお前は友達じゃないか」で済ませる闘刃さんはいい人だなあ。
 どうでもいいけど、「世界忍者を殺すわけにはいかないけど、見せ場としての必殺技波見せておきたい」という理由で、烏天狗が必殺技を食らいまくってたのはちょっと気の毒でした。

 聖徳太子が作りましたでおなじみの磁雷神は、ところどころ不思議スペックは見せたものの、その姿からイメージされるような巨大戦は、そうそう頻繁に巨大な敵が出てくる世界観でもなく、結果として砲撃されるに任せたままの棒立ちシーンが印象に残ってます。

 なにはともあれ、不思議な魅力に溢れた作品でした












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