しっぽきり

 感想はここまで。
 空っぽの編集部。そこには、預けたはずの原稿が印刷所にも届けられずに放置されていた。
 鳴り止まない電話に出て、事情を説明しようとするテラさん。そこで衝撃の事実を知る。
 学童社がつぶれた。
 漫画少年を飛び越えて、出版社がつぶれてしまった。
 編集部に戻ってきた加藤さんもそれを肯定する。
 唯一仕事がもらえる雑誌だったというだけではなく、少年時代から親しんできた雑誌が潰れたことにショックを受ける足塚。それは仲間達も同様であった。特に森安氏がショックのあまり発した「キャバキャバキャバ」という寄声じみた笑い声は、胸を打つものがあります。
 くよくよしていても仕方ないと、チューダーパーティを提案するテラさん。
 馬鹿話をして、かくし芸を見せて。騒いだことで気分が晴れ、改めて仲間のすばらしさを知る二人。
 鈴木氏が入居。敷金を貸すテラさん。
 加藤さんが尋ねてきて、今まで預けてきた原稿と、未払いの稿料を渡してくれる。
 鈴木氏は、つとめながら生活を組み立て、じっくりと漫画を描くつもりだった。しっかりとした鈴木氏の生活の設計に、自分達が、そんなことを考えてこなかった甘さを知る足塚。
 三ヶ月先には生活ができなくなってしまう。
 とはいえ、テラさんの言葉通り、自分達には漫画以外、何もない。心機一転、一からやりなおすしかない。そう誓う二人。突然、才野が名前を変えないかと言い出す。
 二人の名前をとって、満才茂道。
 何度か、声に出し、悪くないなと思い、満賀もそれに従う。 
 満才茂道、第一回作品は何を描くべきか。新しいペンネームで、新鮮な気持ちで考える二人に電報が届く。東山さんに仕事だと呼び出されたのだ。
 連載か。いや、あんなことがあったからそれはない。別冊付録だろう。
 期待に胸を膨らませる二人だが、現実は厳しいものであった。
 グラビアの写真周りに漫画風のカットを描く。
 失業者だから仕方ない、期待しすぎたと苦笑の二人。そこに手塚先生が現れる。
 足塚の失敗は、手塚先生にも届いていた。
 
「足塚くん! 一度失った信用を回復するのは大変だよ!
 だがどんなに大変でももう一度がんばってカムバックしてくれたまえ!
 ぼくは君たちに期待してるんだよ! だから君たちが今度の失敗でこのまま消えてもらいたくないんだ!」

 憧れの人からの励ましの言葉に涙する満才。二人は、もう仕事を投げ出さないことを約束する。
 東山さんからも、期待の言葉と体への心配をしてもらい、支えられていることを改めて実感する満才。
 が、トキワ荘では異変が起こっていた。
 帰宅早々、テラさんが盲腸で倒れ、入院したことを鈴木氏から聞き驚く二人。
 漫画家は体が資本。東山さんに言われたばかりだけに色々と考える二人。
 漫画家にも、健康保険制度があればいいのに。
 ふとした呟きからアイディアが生まれる。実際に作ればいいのだ。
 新漫画党の会合を開き、石森氏・赤塚氏・つのだ氏を新たにメンバーに加え、何かあったときには千円ずつ出し合う健康保険制度を作ることを決める。
 その保険金を持ちテラさんを見舞う二人。ようやく、テラさんに恩返しができた。
 そこに、四年ブックの山岸さんが訪れる。山岸さんは、テラさんに仕事を頼んでいたが、テラさんは入院中。できるわけがない。そこで、テラさんは、二人に代打を頼んでみたらどうかと提案する。
 待ちに待っていた仕事。だが、事情を詳しく知らない山岸さんからの仕事に、そのまま食いつくわけにはいかない。正直に自分たちがしでかした失敗を話し、それでも頼んでくれるかと問う二人。
 山岸さんは、既に二人の噂を聞いていた。その上で、後悔してるなら二度としまいと信じて頼んでくれていたのだ。

 カムバックだ!!
 
 頼まれたのは小説「ゼンダ城の虜」の漫画化。
 原作を探し、ページ数に収まるように再構成し、仕事に取り掛かる二人。
 そこに、「ぼくら」の牛坂さんと富江さんが訪れる。
 一週間で読みきり一六ページものの仕事を依頼される。
 やってもらえると期待している牛坂さん。
 やりたい気持ちはある。気持ちはあるが、締め切りは一週間。
 二人が出した結論は、

「もうしわけありませんがおことわりします!」

 ここで仕事を引き受ければ四年ブックの仕事もままならなくなる。下手をすれば両方落とすかもしれない。
 昨夏の二の舞を演じれば、もう二人は漫画家として終わってしまう。
 だから、自分たちのペース以上の仕事は引き受けないと二人は決めたのだ。
 受けない理由を話すと、牛坂さんは納得してくれた。目先の作品ではなく、将来の二人のために。
 締め切り四日前、叱咤の意味をこめてトキワ荘に訪れる山岸さん。そこで、手渡されたのは完成原稿だった。半分ぐらいだろうと予想していた山岸さんは驚き、二人を見直す。
 こうして、満才茂道のデビューはなった。
 テラさんが退院してくる。時間がある入院中にじっくりと自分の人生を見直したテラさん。いろんな人生を経験しなくてはならない。入院中にそう思ったというテラさん。
 森安氏からはがまさお先生(永田氏の師匠)のところに行かないかと誘われる三人。テラさんは、さっそく行動に移すために行くと返事。二人も同様。
 漫画には、生まれそだった環境がにじみ出てくる。そう語る、はが先生の暖かい人柄に魅了される一同。
 ある日、「ぼくら」の牛坂さんに呼び出される。
 頼まれた仕事は、毎月一〇ページの連載だった。
 いよいよ連載に戻れたことを喜ぶ二人。そして、仕事はそれだけではなく、新漫画党で見開きの仕事を頼まれる。
 テラさんに報告し、さっそく仕事を仕上げる。
 打ち上げのために、トキワ荘を出る新漫画党。
 彼らが見上げた空は輝きはじめていた。
 今はいっしょに歩いているが、いずれはそれぞれのまんが道を歩いていくのだ。
 

 なろう! なろう! あすなろう!

 明日は檜になろう!












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