しっぽきり

「つまりは万事が恩着せがましいんだよ はるか雲の上から優越感でやってることなんだ
 うわべだけの愛 かちだけの親切
 いわばすべてにせものなんだな!」

 その態度に、葉子にベタぼれの力石がブツン。臨戦態勢に入るジョーと力石。
 そこに割ってはいるおっちゃん。提案したのはボクシングで決着をつけること。ボクシング、教育。それに乗る葉子。
 決戦は日曜日。その日に向けておっちゃんは、ジョーに“あしたのために その三”を体に刻み込みます。おっちゃんから伝授されたその三を、ほかの少年達で次々と試すジョー。
 マンモスいわく、

「ジョーが一つ一つおそろしいパンチをおぼえていくたびに・・・・ジョー自身も一つ一つ・・・・ふ・・・・ふしあわせにのめりこんでいくような気がすることや・・・・」

 そして、日曜日。
 一分内でのKOを宣言していたこともあり、序盤から容赦のない力石。

「た・・・・立て・・・・!
 ・・・・立つんだジョー!」

 なんとか一ラウンドを乗り切るジョー。しかし、二ラウンドも状況は変わらない。ジョーの惨状に、その場から逃げだそうとする葉子。最終盤のあの試合でも似たような構図があったような。
 そしてその直後。あしたのためのその三、クロスカウンター。
 幸運も手伝い、この一撃で引き分けに。
 この熱戦が、ほかの少年達にも伝わり、少年院はにわかにボクシングブーム。
 葉子への影響も含めて、この熱が伝わっていくシーンが、その試合の様子が稚拙なこともあいまってすごく好きです。
 その熱を受けて、再び開催されることが決まったボクシング大会。力石との決着を目指し、トレーニングに励むジョー。が、おっちゃんの態度が妙に冷たい。
 まともに練習を見てくれないどころか、青山にトレーニングを付け始める始末。

「お・・・おっちゃん こうなりゃあ意地もみえもすてて頭をさげるよ
 こ・・・・このとおりだ おれにもコーチしてくれっ
 おれは拳闘にほれちまった・・・・こんどというこんどはなんとしても力石に勝ちたい た・・・・たのむよっ」
 
 頭を下げるジョー。しかし、おっちゃんの返事はつれない。
 青山は有力選手の一人と見なされていた沼田を血みどろのKOで倒したというが、どういう勝ち方をしたのかは、誰に聞いても判然としない。
 自分を無視するおっちゃん。力をつける青山。迫る日曜日。
 
ジョーにはいまや理性というものがすっかりなくなっていた
 頭のなかはしっととあせりといかりと
 そんなものばかりがむなしくからまわりをしていた

 再び、日曜日。
 順当に勝ちあがる力石と青山。そしてペースを乱したジョーがリングへ。


 ジョーがおっちゃんの指示を直接トレーニングしてもらえるようになるのも、力石とボクシングの試合をできるようになるのも、本人の意思とは裏腹に葉子のおかげであるわけで。後々もこの構図は続くんだなあ。












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