しっぽきり

 八巻の感想が遅れてしまったので、どうせ時期外れになるのなら一巻からということで。
 今読み返しても感慨深く、連載終了後(あるいは話が急展開を迎えた後)に読み返したら、もっと感慨深そうな巻でした。

 
 現在連載中の話に続く設定の短期集中連載編。
 つまり、連載開始どころか、その数ヶ月前に描かれたということで、当然のごとく色々な点で差異があります。


○チルドレンと皆本

 現在と比べると、コスプレ雑誌・スタミナドリンク・下卑た笑いとオヤジな薫。後々から考えると、実に問題児な葵。コミックス十巻まで出そうな時点から考えると、信じられないぐらい大人しかった紫穂。
 絵柄も変更前で、全体的に丸い印象を受けます。あとこの頃は、チルドレン達の頭身も伸縮自在でした。葵の指が六本だったという情報もありましたが、それはガセ。
 
キャラ・絵柄も勿論ですが、皆本との関係も現在のような関係ではありませんでした。
 戦車を吹き飛ばしたり、水中から脱出したり、分厚い壁越しに張り紙の情報を透視したりと、将来の超能力政策の要を担うことすら期待される程の、突出した能力を持つチルドレン。しかし、それ故に居場所がありません。
 そして、朧さんに頼まれて、担当となった皆本。
 現在のような、無条件の信頼関係はありませんでした。
 仲間というよりは、ワガママな子供とその教育者的な関係。
 皆本はチルドレンをクソガキ扱い(それのみではありませんでしたが)。
 チルドレン側も、トンネルで生き埋めになった妊婦の、お腹の中の子供の念波で葵がテレポートできないという緊急事態に、母体の状態を確認した皆本を、赤ん坊が死ぬのを待っていると勘違いしたり、まだお互いの理解が浅い状態でした。
 もちろん、紫穂の手を握る皆本。皆本の側に寄り添うチルドレンと、後の信頼関係の萌芽も見て取れるのですが。

○台詞・場面

>「親にもビビられるあたしたちは、こーやってバベルの中でやっていくしかないじゃん。他に何があるのさ…!?」 一話 三十三ページ

 後から考えると、親にビビられてるのは薫のみだったりするのが、切ないところ。(紫穂の母がまだ出てきてませんが)
 それはさておき、ポジティブかネガティブかと問われれば、明かにネガティブなこの台詞。
 問題児として扱われる中で、諦観じみた言葉。いや、諦めてるからこそ、問題児扱いされるような行動に出ていると言うべきか。
 チルドレン達が「ここにいること」を肯定し、時には叱る皆本だからこそ、チルドレン達もポジティブになれたのかもしれません。現時点では。

>「授かった力で不幸になったのは―――君がそれを選んだからだ!!
  それだけの力を持っていながら、情けないことを言うなッ!!
  君は何にでもなれたし、どこにでも行けたんだ!!
  この子たちの未来を自分と一緒にするんじゃない!!」 一話 四十六~四十七ページ

 この後の、強盗の舌打ちをどう捉えるか。
 言い負かされた悔しさからと捉えるべきか、それとも知らずに言い切ってしまう皆本への苛立ちか。
 澪登場編を見る限り、チルドレン達の指標になりそうな台詞です。

>「日常生活であんなパワーが必要かネ?
  超能力など普通の生活の中では迷惑な脅威でしか無いのだヨ。
  あとに続くエスパーたちのためにも、あのコたち自身のためにも…
  彼らは常に実践し、証明し続けなければならんのだ。
  あのコたちの才能はすばらしい!
  そしてそれは――誰かを守り幸福にできるものなのだからと……!!」 二話 六十六~六十七ページ

 バベルのスタンスにした、おそらくは絶チルの主題にもあてはまるであろう、局長の台詞。
 チルドレン煩悩に見えて、こういうことも言えるのが、局長の素敵なところです。

>「こーゆーちっちゃい命を守るのが、特務エスパーじゃないのかっ!?」 二話 七十五ページ

>「もう大丈夫…!!
  恐いものはなにもないよ。
  あたしたち、もっともっと強くなって、みんなのこと守ってあげるから…
  だから……安心して産まれておいで……!!」 二話 七十八~七十九ページ

 制止しようとする皆本への台詞と、救出した母親のお腹の赤ん坊への台詞。
 自らの命の危険を省みない救出方法を選んだことと併せて、チルドレン達の勇敢さ・優しさという本質を表している一言かもしれません。
 ただ、これも恐い一言になりそうな予感も。


 一巻の一話・二話が、キャラクター・主題の提示だとしたら、三・四話は物語の目標と、もう一つの主題の提示と言えるのかもしれません。
 それは、また次の機会ということでヽ(´ー`)ノ

絶対可憐チルドレン 1 (1) 絶対可憐チルドレン 1 (1)
椎名 高志 (2005/10/18)
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